家庭訪問は恋の始まり
翌日、私は車で実家へと向かう。

同じ県内だけど、私のアパートから実家までは、1時間以上掛かる。

普段は、帰っても何もしない私だけど、今回、生まれて初めて、晩御飯を作らせてもらった。

メニューは、瀬崎さんに教えてもらったハンバーグ。

瀬崎さんと一緒に作った時ほど、上手にはできなかったけど、家族は私が料理をするというだけで、感動してくれた。

「夕凪の料理だから、全然期待してなかった
けど、おいしいじゃない!」

母が失礼な感動の仕方をする。

「姉貴、ようやく嫁に行く気になったのか?」

弟も失礼だが、強ち間違いではないから、コメントに困る。

「お料理が得意な友達ができて、たまに教えて
くれるのよ。」

私はそう答えた。

「ふーん、男だろ?」

弟はニヤニヤと私を見る。

全く、変なところだけ鋭いんだから。

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