家庭訪問は恋の始まり
私は美晴の宿題を見てやり、それが終わると、一緒に縄跳びをする。

見ていると、美晴は両手を大きくブンブンと回して跳んでいる。

これじゃ、回数も跳べないし、あや跳びや交差跳びもできるようにはならない。

私はタオル2本で美晴の両腕を脇から離れないように縛った。

「みぃちゃん、これで跳んでごらん。」

腕を回せなくなった事で美晴は、さっきよりも跳べなくなってしまった。

「ゆうちゃん、これ、ヤダ!
ねぇ、取って!」

「大丈夫!
みぃちゃんなら、絶対、跳べるから。
これで跳べるようになったら、二重跳びだって
出来るようになるんだよ。」

私がそう言うと、美晴は目を輝かせた。

「二重跳び!?」

1年生にとって二重跳びは憧れだ。

出来る子はクラスに数人しかいない。

1〜2回跳べるだけで、ヒーロー扱いされる。

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