家庭訪問は恋の始まり
そうして、私の年末は、美晴の宿題と縄跳びで過ぎていった。

夜には変わらず、瀬崎さんが電話をくれる。

そして、今日、大晦日は遅い時刻に掛けてくれた。

夕凪と一緒に新年を迎えたいって言ってくれて。

『夕凪、明日の夕方、大丈夫?』

「うん。」

『じゃあ、スキー場を出る前に1度連絡する。
多分、4時くらいかな。』

「分かった。
気を付けて行ってきてね。」

『ああ。ありがとう。』

「あっ!」

付けっ放しのテレビから、カウントダウンが流れ始めた。

「3、2、1!
あけましておめでとう!」

『くくっ
あけましておめでとう。
夕凪、今年もよろしくな。』

「うん、こちらこそ、よろしくお願いします。」

私はぺこりと頭を下げる。

よく考えたら、瀬崎さんからは見えないのに。

でも…

これで、あと3ヶ月。

3ヶ月後には、嘉人くんの担任を外れる。

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