家庭訪問は恋の始まり
「実は、今日、嘉人さんが顔にあざを作って
登校してきたんです。
お父さんは、ご存知ですか?」

お父さんは、目を見開いた。

「いえ、でも、それは、どうして…」

「嘉人さんは、お母さんに叩かれたと
言ってます。
おもちゃを片付けなかったから、叩かれたと。」

「それくらいの事で…」

「嘉人さんの話だと、日常的に手を上げてる
ようです。」

「まさか…」

「ご存知ありませんでしたか?
保育園の頃にも、児童相談所から聞き取り
など、あったと思いますけど。」

「児童相談所は来ましたけど、妻もそんな事は
していないと言ってましたし、私もまさか
手を上げてるとは思ってませんでしたから…」

お父さんの狼狽が伝わってくる。

「一度、ご家庭でよく話し合ってください。
その際、決して、嘉人さんが言ったとは
言わないでくださいね。」

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