家庭訪問は恋の始まり
「分かりました。」

お父さんは、大きく頷いた。

その後で、傍に置いてあったブリーフケースから、クリアファイルを取り出した。

「実は、これをお渡ししたくて、
伺ったんです。」

それは、嘉人くんの診断書だった。

そこにはADHDの文字。

やっぱり。

「診断が出たんですね。」

「はい。」

「では、明日にでも、教頭にも報告をして、
今後の嘉人さんの対応を検討したいと
思います。
幸い、この学校にも通級指導教室はあります
から、週に1〜2時間、授業を抜けて通う事は
可能だと思います。
また、ご連絡をさせていただきたいのですが、
お母さんより、お父さんにご連絡した方が
いいですか?」

「はい。
こんな事は言い訳にしかなりませんが、妻は
嘉人が発達障害だと確定した事で、かなり
動揺してたので、手を上げたのかも
しれませんから。」

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