家庭訪問は恋の始まり
「ダメ…です。
それ以上は… 」

私がそう言うと、一瞬、瀬崎さんの手が止まった。

瀬崎さんは、首筋に唇を寄せたまま尋ねる。

「ほんとに?
夕凪の心はいやって言ってないと思うけど。」

一言話すたび、吐息が首元にかかってゾクゾクする。

私が、答えられずにいると、瀬崎さんの手が、また動き始めた。

指を噛んでても抑えきれない声が喉元から漏れる。

私も瀬崎さんが欲しい。

それでも…

「ダメ…です。
ダメ…なんです。
ごめんなさい。」

私がそう言うと、瀬崎さんはようやく私を解放して、乱れた服を直してくれた。

「ごめん。
ダメな事は分かってるのに。」

私はブンブンと首を横に振る。

「ううん。
私こそ、融通が利かなくてごめんなさい。」

私がそう言うと、瀬崎さんは、もう一度、ギュッと抱きしめてくれた。

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