家庭訪問は恋の始まり
「早く結婚したい。
夕凪と毎日、一緒に暮らしたい。」

嬉しい…
私も。

私は言えない言葉を飲み込んで、瀬崎さんの胸に顔を埋める。

こうしてる今が、すごく幸せ。


しばらくそうして抱き合った後、瀬崎さんが言った。

「晩ご飯、作ろう。」

「えっ?」

「きっと、たくさんの冬野菜をもらって
きたんだろ?
ちゃんと料理して食べよう。」

瀬崎さんはそう言うと、エプロンを着けてキッチンに向かう。

私は慌ててその後を追った。

私はたくさんの冬野菜が詰まった野菜室を開け、順に取り出す。

次に、入りきらなくて、そのままにしてあった段ボールも開く。

大根、白菜、水菜、ほうれん草、小松菜、じゃがいも、里芋、人参…

それを見て、瀬崎さんは眼を見張る。

「すごいな。
これは、想像以上だ。」

「でしょ?
こんなにいらないって言うんだけど、勝手に
車に乗せられるの。」
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