家庭訪問は恋の始まり
「これだけ新鮮なら、
サラダでも食べられるな。」

「えっ?」

「くくっ
夕凪は、鍋の材料だと思ってた?」

瀬崎さんが笑う。

「違うの?」

「もちろん、鍋にしてもおいしいし、火を
通して食べると嵩も減ってたくさん
食べられるからいいんだけど、それじゃ、
料理が苦手な夕凪は、食べないまま終わる
だろ?
サラダなら切るだけだし、スライサーとか
使えば簡単だから、メインのおかずだけ
買ってきて、山盛りサラダでもいいんじゃ
ないかな?」

「うん。
それなら私でも食べられそう。」

「じゃあ、痛みやすい葉物は、食べる分を
残して冷凍しちゃおう。」

そう言うと、瀬崎さんは洗って使いやすいサイズにカットすると、どんどんフリーザーバッグに入れていく。

あっという間に、野菜室の野菜が半分以下になって、冷凍庫がいっぱいになった。

< 319 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop