家庭訪問は恋の始まり
その夜、また瀬崎さんが来てくれた。

「夕凪が心配だったから。
っていうのは言い訳で、単に会いたかった
だけなんだけど。」

そう言って、瀬崎さんは笑う。

今日は、1度ご実家に帰宅し、嘉人くんと食事をした後、自宅に帰る前に寄ってくれた。

瀬崎さんとお茶を飲みながら、まったりと会話する。

「夕凪は、明日から仕事だろ?
大丈夫?」

「うん。
きっと武先生にも、何かここを通る理由が
あったんだよ。
そこまでして私に執着する理由が分からない
もん。」

私があっけらかんと言うと、

「夕凪は人を信じすぎ。
ちょっとは、疑うとか警戒するとかした方が
いいよ。
心配で仕方ない。」

と呆れられた。

「うーん、でも、武先生はそんな事をする
タイプには見えないけどなぁ。
ほんとにいい人なんだよ?」

でも、武先生をよく知らない瀬崎さんには伝わらないかなぁ。

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