家庭訪問は恋の始まり
そのまま、手を引かれ、ダイニングに連れて来られると、

「はい、座って。」

とまた座らされてしまった。

「ほら、嘉人、運べ。」

瀬崎さんは、嘉人くんに、食器を手渡す。

私だけが座っているのもいたたまれなくて、

「あ、じゃあ、手伝います。」

と私は立ち上がった。

「じゃあ、これ運んで。」

瀬崎さんにスープ皿を手渡され、私はテーブルに運ぶ。

全てを運び終えて、席に着こうとしたら、瀬崎さんが言った。

「嘉人ぉ、なんでお前が夕凪先生の隣なんだ?
パパが夕凪先生の隣だろ?」

は!?
瀬崎さん?

「なんで?
パパいつもママの前だったでしょ?」

「ママはな。でも、夕凪先生は、パパの隣。」

「なんで?」

「そんなの夕凪先生のそばがいいからに
決まってるだろ?
嘉人、パパに協力するんじゃなかったのか?」

せ、瀬崎さん!

この状況、どうすればいいの!?

< 332 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop