家庭訪問は恋の始まり
「ええ!?
そうだけどぉ…
僕、給食、いつも夕凪先生の前だもん。
たまには隣がよかったのに。」

ふふっ
嘉人くん、そんな事考えてたの?

「ほら、嘉人は毎日学校で夕凪先生と一緒
なんだから、家ではパパ優先な。」

もう! 子供みたい。
いつもの大人な瀬崎さんはどこへ行ったの?
ふふふ

2人のやり取りを聞いてると、自然に顔が綻んでくる。

「嘉人さん、こういう時、どうすれば
いいんだった?」

ちょっと前までの嘉人くんは、お友達とこうして揉めるたびに喧嘩してたけど、今は手を出すことはほとんどない。

「じゃんけん!!
パパ、じゃんけんしよ!」

嘉人くんはにっこり笑ってグーにした手を顔の前に掲げた。

「ええっ!? マジかぁ。」

瀬崎さんは不平を口にしながらも、楽しそうに手を出す。

「じゃんけん、ぽい!」

嘉人くんの掛け声に合わせて両者が手を出す。

嘉人くんがパーで瀬崎さんがチョキ。

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