家庭訪問は恋の始まり
「ちぇっ! じゃあ、パパ代わってあげる。」

瀬崎さんと嘉人くんの席は決まっているようで、2人は入れ替わる事なく、私の食事だけが嘉人くんの隣から瀬崎さんの隣へと移された。

「嘉人さん、上手にじゃんけんできたね。
学校でもいつも上手に譲り合えるように
なったから、喧嘩もほとんどしなくなった
もんね。
2年生より2年生っぽいよね。」

私は嘉人くんを褒めて頭を撫でる。

嘉人くんは、「へへっ」と照れ笑いを浮かべて、席に座る。

私は、そのまま移動して瀬崎さんの隣に座った。


「いただきます。」

3人で手を合わせて、食事を始める。

「おいしい〜!」

瀬崎さんの料理は、今日もとてもおいしい。

「くくっ
それなら良かった。
舌平目じゃなくて申し訳ないけど。」

瀬崎さんが笑う。

「これ、なんのお魚?」

私が尋ねると、

「当ててごらん。」

と返されてしまった。

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