家庭訪問は恋の始まり
「そうだな。
もっと仲良くなったら、ママになって
くれるかもな。
でも、夕凪先生が嘉人のこと、こんな
暴れん坊の怒り虫、お母さんになるのは
無理!って思ったら、ダメかもしれないぞ?」

瀬崎さんが言う。

嘉人くんは心配そうに私を見て尋ねる。

「僕、暴れん坊? 怒り虫?」

ふふっ
かわいい。

「うーん、1学期よりは、大分暴れん坊じゃ
なくなったよね。
怒ることはあるけど、手を出す事は
なくなったし。
あとは、授業中に勝手に喋るのがなくなれば、
安心して2年生にしてあげられるん
だけどな。」

私が言うと、瀬崎さんが反応する。

「嘉人、授業中に喋ってるのか?」

「あ、違うの。
お友達とひそひそお喋りじゃないの。
私の説明の途中で、思った事を勝手に発言
しちゃうの。
だから、話が逸れたり、進まなかったり、ね?」

嘉人くんに視線を送る。

嘉人くんは、ばつが悪そうに目を逸らした。

< 338 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop