家庭訪問は恋の始まり
「とりあえず、夕凪先生は午後から授業に
戻ってください。
今後については、また放課後に相談
しましょう。」

「はい!」

よかった…

私は、武先生と校長室を後にする。

すでに昼休みも掃除も終わってしまい、間もなく5時間目が始まろうとしている。

教室へ向かいながら、私はお礼を言った。

「武先生、本当にありがとうございました。
武先生がいらっしゃらなかったら、私… 」

本当に担任を外されていたかもしれない。

「俺は何もしてませんよ。
それより、きっと子供たちから、3〜4時間目に
いなかった理由を聞かれると思います。
なんて答えるつもりですか?」

「あ… 」

そうだ。
どうしよう?

「来客があった事にします。
教育委員会の偉い人がお話に来たって言って
おけば、真奈ちゃんが家で何か話しても、
お母さんはきっと自分の思い通りになったと
思うでしょうし。
それで満足してくれれば、これ以上の
嫌がらせはなくなるかもしれませんし。」

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