家庭訪問は恋の始まり
「分かりました。
俺も子供に何か聞かれるような事があれば、
話を合わせておきます。」

武先生はそう言って2組の教室へ入っていった。

私も、気をとり直して5時間目の授業に臨む。

5時間目は、生活。

今日は、昔の遊びについて学ぶ。

来週、ボランティアの祖父母の方に来ていただいて、一緒に遊ぶので、どの遊びを体験するか決めるのだ。

私が教室に入ると、早速、嘉人くんが叫ぶ。

「ああ!!
夕凪先生、なんで3時間目からいなかったの!?」

半分、責めるような口調で問われる。

「ごめんね。
ちょっと、お客さんが来ててね。
先生がいなくて、寂しかった?」

私が問い返すと、嘉人くんは、

「べっ、別に。全然、寂しくなんかないし。」

と慌てて否定する。

ふふっ
かわいい。

「ええ!?
先生はみんなとお勉強できなくて、
寂しかったのにぃ。
さ、今日は、何をやるか覚えてる?」

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