家庭訪問は恋の始まり
「嘉人さんが帰らないなら、先生、
嘉人さんの事、もらって帰るよ。」

《 いやだ〜 》と叫んで帰る事を想定して言った発言なのに、想定外の答えが返ってきて驚いた。

「いいよ。」

へ!?
どういうこと!?

「嘉人さん、先生に貰われてもいいの?」

「うん。
先生、僕のママになってよ。」

は!?

「なんで?
嘉人さんには、素敵なママがいるでしょ?」

「………ママいない。」

いない?
あ、旅行?
だから、おばあちゃん家に帰るのか!

「お母さんがいない日に嘉人さんが
帰らなかったら、お父さんが寂しがるでしょ?」

「じゃあ、先生が僕ん家に来ればいいよ。
きっとパパも喜ぶよ。」

「そういう訳にはいかないよ。
お母さんは、いつ帰ってくるの?」

「………分かんない。」

ん?
旅行じゃないの?

「どこに行ったの?」

「分かんない。」
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