家庭訪問は恋の始まり
最後の授業参観
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最後の授業参観

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週が明けて、授業参観の日がやってきた。

子供たちは、少し緊張した様子で休み時間も練習をしている。

私は、朝の会でみんなに聞いてみた。

「今日、お家の人が見に来てくれるよ〜って
いう子、手を挙げて。」

「おばあちゃんでもいいの?」

そう聞いたのは、10日前に弟が生まれた明美(あけみ)ちゃん。

「もちろん。」

私がそう答えると、クラス全員の手が挙がった。

つまり、瀬崎さんと御岳さんと私がひとつの教室に揃うという事だ。

私もいつもとは違う緊張が走る。

だけど、こればかりは逃げられない。

短縮日課の午前中を終え、給食、掃除の後、教室の机を廊下に出した。

椅子だけ残して、縄跳びやこま回しのためのスペースを確保する。

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