家庭訪問は恋の始まり
「じゃあ、午前中だけなら。
後ろ乗せていただいてもいいですか?」

「もちろん。
コンビニに回りましょうか?」

武先生が気を遣ってくださる。

「いえ、暇つぶしに本でも買おうかと思った
だけですから。
本より楽しそうな暇つぶしに出会えました
から、もういいんです。」

と私は笑った。

「僕、お名前は?」

「木村悠(まつもと ゆう)」

「悠くんかぁ。
お姉さんもねぇ、ゆうちゃんっていうんだよ。
一緒だね。」

私がそう言うと、悠くんは、にこっと笑った。

かわいい〜!!
天使みたい。

「悠くんは何歳?」

「昨日、6歳になったの。」

「へぇ、昨日、お誕生日だったんだ。
ケーキ食べた?」

「ううん。僕、食べられないから。」

男の子はそう言って首を振る。

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