家庭訪問は恋の始まり
「悠は、アレルギーがあるんですよ。
乳製品がダメで…
昨日はたまたま、行きつけのアレルギー
対応をしてくれるケーキ屋さんが、定休日
だったので、今日、お祝いの予定なんです。」

武先生が説明をしてくれる。

「それは、大変ですね。」

ほんの数百メートルしか離れていない公園には、すぐに着いてしまう。

私たちは車を降りて、公園のブランコに向かった。

「悠くんのお父さんもお仕事ですか?」

私は小声で武先生に聞く。

「いえ、妹はシングルマザーなんです。
どれだけ聞いても相手の事は、頑として
言わないので、諦めてます。
俺は結婚しないし、妹はシングルマザーだし、
親不孝な兄妹ですよね。」

「じゃあ、武先生がお父さん代わりみたいな
ものですか?」

「そうですね。
人使いの荒い妹なので、頻繁に子守りを
させられてます。」

そう言って武先生は、苦笑いをこぼす。


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