家庭訪問は恋の始まり
そして、明日はとうとう卒業式。

小学校にとって、1年で1番大切な行事。

練習に練習を重ね、歌や呼びかけを頑張ってきた。

会場準備の手伝いを終えると、私は校長室に呼ばれた。

「神山先生、内示が出ております。」

「はい。」

私は姿勢を正して、校長先生の言葉を待った。

「神山夕凪先生、4月1日より、
秋川市立西端(にしはた)小学校への勤務を
命ずる。」

「はい。」

よかった。
ここからそんなに離れてない。

「神山先生なら、どこへ行っても大丈夫です。
頑張ってくださいね。」

校長先生は、優しい笑みを浮かべて言ってくれる。

「ありがとうございます。
ここでの経験を生かして、頑張ります。」

私は、一礼して、校長室を後にした。

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