家庭訪問は恋の始まり
その夜、いつものように瀬崎さんから電話はもらったけど、内示のことは伝えなかった。

やっぱり、これは離任式まで言っちゃいけない事だと思うから。


翌日、無事、卒業式を終えた。


普段、じっとしていられない嘉人くんも、多少の手遊びや足をぶらんぶらん揺らす事はあったけど、最後までなんとか頑張った。


そして、とうとう終業式および修了式の日。

この子たちも、ようやく1年生を修了する。

私は式の前に教室で話をする。

「みんな、1年生でやる事、
精一杯がんばったかな?
お勉強も遊びも係の仕事も、一生懸命
がんばれたよっていう子、手を挙げて。」

私がそう言うと、みんな一斉に手をあげる。

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