家庭訪問は恋の始まり
「嘉人さん、先生はずぅっと、嘉人さんの先生
だよ。
それは、嘉人さんが2年生になっても3年生に
なっても、中学生になっても変わらない。
また、すぐに会えるから。
嘉人さんは、入学した時より、ずっといろんな
事を我慢できるようになったよね。
嘉人さんなら、もう大丈夫。
夕凪先生じゃなくても、きっと頑張って
素敵でかっこいい2年生になれるよ。
先生は、そんな嘉人さんを見てみたいな。」

私は嘉人さんの両腕をしっかり握って話をする。

「すぐって、いつ?」

嘉人くんは、しゃくりあげながら、尋ねる。

「うーん、お約束はできないけど、嘉人さんが
先生の事を忘れないうちにきっと会えるよ。」

「僕、先生の事、ずっと忘れないもん。」

ふふっ
ほんと、かわいい。

嘉人くんのその一言で、せっかく止まった涙がまた溢れてきた。

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