家庭訪問は恋の始まり
18時すぎ。

「神山先生の家は、この近くでしたよね。
帰りは送りますから、車置いてきてください。
後ろついていきますから。」

木村先生に言われた。

「いえ、そしたら、先生が飲めないじゃ
ありませんか。
だったら、私が送りますから、先生こそ、車
置いてきてくださいよ。」

私が答えると、

「代行を頼みますから、大丈夫ですよ。
そういう時は、余計な心配しないで、素直に
甘えてください。」

と木村先生は笑った。

木村先生、もう30代も半ばなのに、こんなに爽やかに笑うなんて、反則でしょ。

「ありがとうございます。
じゃあ、お言葉に甘えて、そうさせて
いただきます。」

私はぺこりと頭を下げた。

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