家庭訪問は恋の始まり
「もちろんです。」

私が答えると、瀬崎さんが加勢をしてくれる。

「当たり前だろ。
夕凪は、他の子と分け隔てなく嘉人に接して
くれた初めての先生だぞ。
これだけ嘉人が懐いてるのを見れば
分かるだろ。」

嬉しい。
瀬崎さんにこんな風に信頼されて、ご両親に断言してもらえるなんて。

「それは知ってるわ。
よしくんがいつも話してくれるもの。
でもね、他人の子を分け隔てなく扱うのと、
自分の子も他人の子も別け隔てなく扱うのは
違うのよ。
幸人(ゆきひと)だって、それは分かる
でしょ?」

それは、そうなのかもしれない。

「あの…
私は自分の子を産んだ事がありませんし、
簡単にできますとは言えませんけど、
それでも、私は、嘉人くんも自分の子も
同じように可愛がり、同じように叱りたいと
思ってます。
今は、信じてくださいとしか言えませんが。」

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