家庭訪問は恋の始まり
「庭師の安彦さんが、打ち落とした枝を、
ノコギリで切るのが、嘉人のマイブーム
なんだ。」

と瀬崎さんは笑う。

「ふふっ
楽しそう。
図工でノコギリを使うのは、確か、4年生
だったかな。
その頃にはクラスで1番上手になってるかも
しれないね。」

そんな会話をしていると、お義母さんが口を開いた。

「夕凪さん、あの子の前では言いたく
なかったんですが、あの子の母親は最低
でした。
子育てもせず、自分を着飾って遊び歩いて。
私たちは、結婚前に反対したんですが、お腹に
嘉人がいた事もあり、結局、幸人の意思を
尊重して認めました。
今、思えば、あの時、結婚させずに、
嘉人だけを引き取れば良かったと
思ってます。
私たちは、もう後悔したくはありません。
私たちは、あなたを信じていいんですよね?」

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