家庭訪問は恋の始まり
それを聞いていたお義母さんは、私の手を握って、

「どうか、幸人と嘉人をお願いします。」

と頭を下げた。

「はい。
お義母さん、頭を上げてください。」

私は慌てて、お義母さんの肩を持って頭を上げて貰う。

「むしろ、お願いしなければいけないのは、
私です。
私は、ちゃんと嘉人くんと向き合いたいと
思ってます。
だから、これからは、嘉人くんを今まで通りに
こちらへ泊まらせてあげられなくなるかも
しれません。
もちろん、昼間、預かっていただいたり、
遊んでいただいたりはこれまで通りお願い
したいのですが、夜は例え長期休暇で
あっても、やはり自宅で過ごすのが本来の
姿だと思いますから。
わがままを言って、申し訳ありません。」

今度は、私が頭を下げた。

「幸人。」

お義母さんが、瀬崎さんを呼ぶ。

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