家庭訪問は恋の始まり
「じゃあ、車を置いて来よう。
で、俺が毎週、迎えに行く。
嘉人も喜ぶし、俺も喜ぶし、いい事尽くめだと
思うだろ?」

瀬崎さんは嬉しそうに笑う。

「もう! しょうがないなぁ。」

私も釣られて笑ってしまった。

瀬崎さんって、ものすごく大人な気がしてたけど、最近、なんだか嘉人くんとよく似てる気がする。

嘉人くんの素直で人懐っこいところって、もしかして、瀬崎さんに似たのかな。



結局、瀬崎さんに押し切られて、私たちは、嘉人くんが帰る前に、自宅に車を置きに戻った。

お泊まりセットを持って瀬崎さん家に戻り、晩ご飯の用意をする。

今日は煮魚。

瀬崎さんに教えてもらいながら、下ごしらえからしていく。

「ふふっ」

思わず、笑みがこぼれる。

「どうした?」

「なんか、幸せだなぁと思って。
3月まで、すごく長く感じたけど、その分、
余計に幸せな気がするのかも。」

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