家庭訪問は恋の始まり
なのに…

彼女の運命の人は他にいた。

なんでだ?

絶対、俺の方がいいのに、なんで奴を選ぶんだ?

訳が分からない。



だけど…

彼女が奴を選んだんだから、しょうがない。

俺は、彼女の幸せのために出来ることをしよう。



4月、彼女は別の小学校へ異動した。

これで、条件は整った。

きっと彼女の想いは成就するだろう。



4月末、俺は廊下ですれ違った瀬崎嘉人を呼び止めた。

「嘉人さん、お父さん、結婚するんだって?」

カマをかけてみた。

「えっ!? 武先生、なんで知ってるの?」

さすが小学2年生、すぐにボロを出す。

「先生は、夕凪先生と仲良しだからな。
先生、日にちを忘れたんだけど、何月何日に
結婚するか、嘉人さんは覚えてるか?」

「うんとね、日にちは覚えてないけど、
6月だよ。」

6月!
それはまた、早いな。

急いで動かないと。

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