家庭訪問は恋の始まり
「ふふっ
もう、武先生ってば!」

私は、思わず笑ってしまった。

「奢りですからね!」

私が言うと、

「はい。」

と武先生も笑う。




17時。

私たちは、学校を後にする。

行き先は、ちょっとお洒落なフレンチレストランチェーン店Accueil(アクィーユ)。

今日も「せっかくだから、ワインを飲みましょう」と武先生に言われて、車を置いてきた。

「今日は私が…」と言ってはみたが、武先生が「助手席より、運転席の方が落ち着く」と言うから。

2人で店内に入り、奥の席へ案内される。

「ほんとにいいんですか?
ここ、安くないですよ?」

私は声を潜めて尋ねる。

「くくっ
ご心配は無用ですよ。
これでも夕凪先生よりはお給料もいただいて
ますし、扶養家族もいませんし。」

確かに、そうなんだけど…
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