家庭訪問は恋の始まり
私は話を聞きながら、あのタメ口のお母さんなら、そういう事をしてもおかしくないと思ってしまった。

人を先入観で見てはいけないのに。

「だから、先日、先生が、私は妻を
忘れてないとおっしゃってましたが、
もうすっかり吹っ切れてます。
その上で、言います。
あなたが好きです。」

どうしよう。

心臓が壊れそうな位、鳴ってる。

断らなきゃいけないのに…

この人は、嘉人くんのお父さんなのに…

どうしよう…

「あの、私… 」

「返事は、春まで待ちます。」

え!?

「あなたは、今、嘉人の先生です。
きっと、今、聞いたら、断りの返事しか
返ってこないでしょう?
なので、春、嘉人の担任じゃなくなってから、
返事を聞かせてください。」

「あと8ヶ月もありますけど…?」

< 93 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop