家庭訪問は恋の始まり
そんなに放置していいの?

「もちろん、OKの返事なら、今すぐでも
構いませんよ?
でも、立場上、それは無理でしょう?
だから、8ヶ月、俺があなたを想ってる事を
忘れないでくれれば、それでいいです。
それで、時々、こうして家庭訪問して
ください。
嘉人がいる時でも、
こうして嘉人がいない時でも。」

瀬崎さんの手が、私の頬に触れる。

大きくて骨張った男の人の手。

目を逸らしたいのに、見つめられるとどうしていいか分からなくて、瀬崎さんの目に吸い込まれそうになる。

瀬崎さんの顔が近づくと、私は焦って口を開いた。

「あ、あの!」

「なんですか?」

「私たち、まだ、数回しか会ってないと
思うんですけど、なんで私なんかを…」

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