エリート社員の一途な幼なじみに告白されました
確かに、この間の土曜日は新宿に環と居た。まさか桃子ちゃんに見られていたなんて! 羞恥心で顔がたちまち熱くなる。
「うう、それは」
もう会社の人にバレてしまった……。 私が言葉に詰まっていると、桃子ちゃんは卵焼きを私のお弁当箱の中にお裾分けしてくれた。
「安心してください、誰にも言ってませんから」
小さな部署だから噂話はすぐに広まるはずだけれど、少なくともこの数日の様子だと桃子ちゃんの言っていることは嘘ではなさそうだった。
「正直、倉持さんのこと狙ってたんですけど、先輩なら仕方ないです。先月の二次会でも連絡先交換するのきっぱり断られちゃったし、脈無いなーって思ってたんで。営業事務の子もみんな諦めてます。だから最近は、合コンで知り合った三橋商事のエネルギー課の男性を狙ってるんですよ」
そう言って、桃子ちゃんは私にウィンクをした。
「秘密のオフィスラブ、良い報告を待ってますから」
――ああ、仕事だけの淡々とした毎日はもう、送れそうにない。これから、私には色んな意味でドキドキの毎日が待っている。