仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
第七章 関係
一希との話し合いは、お互いの溝を更に深くした結果になった。
その翌日から一希の帰宅は更に減り、顔すら見なくなっていた。
クリスマスも美琴は静まり返った部屋でひとりで過ごした。
(一希は今頃観原千夜子と楽しく過ごしているのかしら)
今となっては彼に何の期待もしていない。
それでも募る孤独感は無くせなくて、大晦日の昼過ぎに、実家に電話をした。
弟達の声が聞けたら、寂しさも癒えるかと思ったからだ。
義母の恵美子とも久しぶりに近況を報告しあいたかった。
けれど、電話に出た恵美子はとても忙しくバタバタしており、殆ど会話もままならなかった。
『美琴ちゃん、ごめんね。陸達の友達が来ていて騒がしくて目が離せないの』
『あっ、ごめん、忙しいところに。大した用じゃないから新年の挨拶に行った時にでも話すね』
『あっ、私もその時話があるの。ヘルパーさんの件で相談がしたくて』
恵美子は早口で言う。
『ヘルパーさん?』
『そう、もう少しお願いしたくて……ああっ! 陸、ラーメン零してるじゃない!……美琴ちゃん、ごめんね。切るわ』
『あ、うん。わかった』
美琴が言い終わるよりも早く、通話は途切れた。
(賑やかそうだったな……)
家族と話して穏やかな気持ちになろうとしたのに、逆に孤独感が深まった。
その翌日から一希の帰宅は更に減り、顔すら見なくなっていた。
クリスマスも美琴は静まり返った部屋でひとりで過ごした。
(一希は今頃観原千夜子と楽しく過ごしているのかしら)
今となっては彼に何の期待もしていない。
それでも募る孤独感は無くせなくて、大晦日の昼過ぎに、実家に電話をした。
弟達の声が聞けたら、寂しさも癒えるかと思ったからだ。
義母の恵美子とも久しぶりに近況を報告しあいたかった。
けれど、電話に出た恵美子はとても忙しくバタバタしており、殆ど会話もままならなかった。
『美琴ちゃん、ごめんね。陸達の友達が来ていて騒がしくて目が離せないの』
『あっ、ごめん、忙しいところに。大した用じゃないから新年の挨拶に行った時にでも話すね』
『あっ、私もその時話があるの。ヘルパーさんの件で相談がしたくて』
恵美子は早口で言う。
『ヘルパーさん?』
『そう、もう少しお願いしたくて……ああっ! 陸、ラーメン零してるじゃない!……美琴ちゃん、ごめんね。切るわ』
『あ、うん。わかった』
美琴が言い終わるよりも早く、通話は途切れた。
(賑やかそうだったな……)
家族と話して穏やかな気持ちになろうとしたのに、逆に孤独感が深まった。