仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
自分でも、そんな気はしていたのだ。
落ち込む美琴に、慧は口調を和らげる。
「そんな凹むなよ。これからは俺がついてるだろ?」
「うん、なんか慧が頼もしく見えるよ」
慧は少し照れたように、目をそらす。
「そうか? ええと、まずはだな、久我山のお祖父さんの話は俺も同意する。義母が家事育児で大変なのは分かるけど、美琴に頼り過ぎるのは間違ってる。そしてそれを受け入れる美琴も良くない」
「うん……」
祖父に言われた時は反発を覚えたのに、今はなぜか素直に聞ける。
「美琴が家族を守ろうと必死になるのは、翻っては自分の居場所を守りたいからだと感じる。違うか?」
「違ってないよ。一希に要らないって言われて落ち込んでたとき、弟達が必要としてくれて嬉しかった。それに私だけ母親が違うから……疎外感を持たないようにするには、家で役に立つしかなかったから」
今まで誰にも言わなかった本音を口にした。
すると、継母恵美子への思いが、グラリと揺らぐのを自覚した。
(私、本当は分かっていた……ずっと良いように利用されていたんだって)
落ち込む美琴に、慧は口調を和らげる。
「そんな凹むなよ。これからは俺がついてるだろ?」
「うん、なんか慧が頼もしく見えるよ」
慧は少し照れたように、目をそらす。
「そうか? ええと、まずはだな、久我山のお祖父さんの話は俺も同意する。義母が家事育児で大変なのは分かるけど、美琴に頼り過ぎるのは間違ってる。そしてそれを受け入れる美琴も良くない」
「うん……」
祖父に言われた時は反発を覚えたのに、今はなぜか素直に聞ける。
「美琴が家族を守ろうと必死になるのは、翻っては自分の居場所を守りたいからだと感じる。違うか?」
「違ってないよ。一希に要らないって言われて落ち込んでたとき、弟達が必要としてくれて嬉しかった。それに私だけ母親が違うから……疎外感を持たないようにするには、家で役に立つしかなかったから」
今まで誰にも言わなかった本音を口にした。
すると、継母恵美子への思いが、グラリと揺らぐのを自覚した。
(私、本当は分かっていた……ずっと良いように利用されていたんだって)