仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
仕方なく彼に着いてリビングに行く。
一希はいつものソファーではなく、ダイニングテーブルに着席したので、ある程度の距離を置ける彼の斜め前の席に座る。
一希は美琴が落ち着くと、早速切り出した。
「今日は友人と出かけると言っていたが、その友人は葉月慧だそうだな。こんな時間まで何をしていたんだ?」
美琴はすぐに否定しようと口を開きかけ、けれど思い留まった。
一希の表情は絶対的な自信に溢れていたからだ。
まるで、今日一日の美琴の行動を把握しているとでも言うように。
慧とのとの関係は後ろめたいものではない。
だから一希に知られても困らないが、慧に迷惑がかかる可能性が少しでもあるなら、秘密にしておきたかった。
(でも一希は何らかの理由で、慧と会ったと確信を持っている?)
ならば誤魔化しても無駄だ。しかし疑問はある。
「私の行動を見ていたような言い方だけど、まさか後をつけていたの?」
そんなわけはないと分かっているが、あえて軽蔑したように言う。
すると一希はうんざりとしたように答えた。
「千夜子がお前たちふたりを見かけたそうだ」
美琴は思わず息を飲んだ。
まさか、ここで観原千夜子の名前が出て来るとは思わなかった。
一希はいつものソファーではなく、ダイニングテーブルに着席したので、ある程度の距離を置ける彼の斜め前の席に座る。
一希は美琴が落ち着くと、早速切り出した。
「今日は友人と出かけると言っていたが、その友人は葉月慧だそうだな。こんな時間まで何をしていたんだ?」
美琴はすぐに否定しようと口を開きかけ、けれど思い留まった。
一希の表情は絶対的な自信に溢れていたからだ。
まるで、今日一日の美琴の行動を把握しているとでも言うように。
慧とのとの関係は後ろめたいものではない。
だから一希に知られても困らないが、慧に迷惑がかかる可能性が少しでもあるなら、秘密にしておきたかった。
(でも一希は何らかの理由で、慧と会ったと確信を持っている?)
ならば誤魔化しても無駄だ。しかし疑問はある。
「私の行動を見ていたような言い方だけど、まさか後をつけていたの?」
そんなわけはないと分かっているが、あえて軽蔑したように言う。
すると一希はうんざりとしたように答えた。
「千夜子がお前たちふたりを見かけたそうだ」
美琴は思わず息を飲んだ。
まさか、ここで観原千夜子の名前が出て来るとは思わなかった。