仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
第十一章 移ろう心~一希side~
一希は寝起きは悪くない。
時間になれば自然と目が覚め直ぐに行動できる。しかしその日は違っていた。
『一希』
微睡の中、優しく呼びかける声が聞こえて来た。
そのまま眠っていたかったが、段々と意識が覚醒してくる。
『一希、六時過ぎたけど、起きなくて大丈夫なの?』
その言葉で一気に意識が覚醒し、目を開いた。
目の前には美琴の顔。いつもの怒りに満ちた責めるような顔ではなく、心配そうな目で一希を見つめている。
どうやら一希を起こしに来てくれたようだった。
時間を聞き慌てて支度を始め出社した。
しかし、昼過ぎから体調がどんどん悪化し、夕方には業務を続けるのは無理だと判断して仕事を切り上げた。
千夜子が心配して付き添ってくれたが、美琴は彼女を見ると不満そうに表情を曇らせた。
危うく美琴と千夜子で言い合いになりそうになった為、千夜子に帰るように言う。
妻でありながら秘書の千夜子を邪険にする美琴に対し不満を覚えた。
本来なら夫を送って来た秘書に対して礼を言うところではないだろうか。
だが文句を言う気力もなくソファーに座り込む。
体調を崩すのは久しぶりだった。意のままに動かない体を持て余していると、思いがけずに穏やかな声が耳に届いた。
『一希、何か飲み物を持って来るけど希望はある?』
美琴だった。怒りは治まったのか気遣うように一希の様子を伺っている。
ほっとした気持ちで水を頼むと、美琴は嫌がる様子もなく対応してくれた。
それだけでなく医者を手配し、来る前の間もかいがいしく一希の世話をやいてくれた。
時間になれば自然と目が覚め直ぐに行動できる。しかしその日は違っていた。
『一希』
微睡の中、優しく呼びかける声が聞こえて来た。
そのまま眠っていたかったが、段々と意識が覚醒してくる。
『一希、六時過ぎたけど、起きなくて大丈夫なの?』
その言葉で一気に意識が覚醒し、目を開いた。
目の前には美琴の顔。いつもの怒りに満ちた責めるような顔ではなく、心配そうな目で一希を見つめている。
どうやら一希を起こしに来てくれたようだった。
時間を聞き慌てて支度を始め出社した。
しかし、昼過ぎから体調がどんどん悪化し、夕方には業務を続けるのは無理だと判断して仕事を切り上げた。
千夜子が心配して付き添ってくれたが、美琴は彼女を見ると不満そうに表情を曇らせた。
危うく美琴と千夜子で言い合いになりそうになった為、千夜子に帰るように言う。
妻でありながら秘書の千夜子を邪険にする美琴に対し不満を覚えた。
本来なら夫を送って来た秘書に対して礼を言うところではないだろうか。
だが文句を言う気力もなくソファーに座り込む。
体調を崩すのは久しぶりだった。意のままに動かない体を持て余していると、思いがけずに穏やかな声が耳に届いた。
『一希、何か飲み物を持って来るけど希望はある?』
美琴だった。怒りは治まったのか気遣うように一希の様子を伺っている。
ほっとした気持ちで水を頼むと、美琴は嫌がる様子もなく対応してくれた。
それだけでなく医者を手配し、来る前の間もかいがいしく一希の世話をやいてくれた。