仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
第十四章 別れ
義母寛子と話したことによって、一希から離婚を言われたときから感じていた焦燥感のようなものが更に大きくなっている。
静かな部屋で考え込んでいたけれど、ふと思い立ちスマートフォンを取り出した。
しばし悩んでから慧に発信する。
ひとりで抱えているのも限界だった。
一時期毎日のようにあった慧からの連絡が最近は途絶えていた。
仕事が忙しいのかもしれない。そんな中悩み相談なんて迷惑だろうけど、すがりたかった。
数回のコールで慧が出た。
「美琴、どうかしたのか?」
しばらく会話をしていなかったが慧の様子に変わったところはなく、ほっとする。
「あの、ちょっと相談したいことがあって。忙しいところ申し訳ないんだけど……」
元々誰かに頼ることには慣れていないからか、切羽詰まっている気持ちを訴えることが出来なかった。けれど慧は何かを察してくれたのか、素早い対応をしてくれた。
「俺はいつでも大丈夫。ちょうど話しておきたいことも有るんだ。早い方がいいなら今日にするか?」
「本当? ありがとう……七時前に家に帰りたいからその前だったら助かるんだけど」
「分かった。じゃあ五時頃に迎えに行く」
「迎え? そんな、いいよ。自分で行くから」
「いや、その方が効率いいから。じゃああとでな」
慧は早口で言うと電話を切った。
相変らずの行動力に、圧倒され安心もした。
時計をちらりと見てからキッチンに行き夕食の下準備をする。
最近の行動から考えると、一希は今夜も帰ってくるはずだ。
冷蔵庫から材料を取り出し包丁で切っていく。
慧に相談出来ると思うと、先ほどまでの息苦しさが消えていた。
静かな部屋で考え込んでいたけれど、ふと思い立ちスマートフォンを取り出した。
しばし悩んでから慧に発信する。
ひとりで抱えているのも限界だった。
一時期毎日のようにあった慧からの連絡が最近は途絶えていた。
仕事が忙しいのかもしれない。そんな中悩み相談なんて迷惑だろうけど、すがりたかった。
数回のコールで慧が出た。
「美琴、どうかしたのか?」
しばらく会話をしていなかったが慧の様子に変わったところはなく、ほっとする。
「あの、ちょっと相談したいことがあって。忙しいところ申し訳ないんだけど……」
元々誰かに頼ることには慣れていないからか、切羽詰まっている気持ちを訴えることが出来なかった。けれど慧は何かを察してくれたのか、素早い対応をしてくれた。
「俺はいつでも大丈夫。ちょうど話しておきたいことも有るんだ。早い方がいいなら今日にするか?」
「本当? ありがとう……七時前に家に帰りたいからその前だったら助かるんだけど」
「分かった。じゃあ五時頃に迎えに行く」
「迎え? そんな、いいよ。自分で行くから」
「いや、その方が効率いいから。じゃああとでな」
慧は早口で言うと電話を切った。
相変らずの行動力に、圧倒され安心もした。
時計をちらりと見てからキッチンに行き夕食の下準備をする。
最近の行動から考えると、一希は今夜も帰ってくるはずだ。
冷蔵庫から材料を取り出し包丁で切っていく。
慧に相談出来ると思うと、先ほどまでの息苦しさが消えていた。