仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
慧は神楽家近くまで車で迎えに来てくれた。
別にやましいことをしている訳ではないけれど、なんとなく周囲が気になってしまう美琴に慧は余裕の笑みで言う。
「そんなに警戒してキョロキョロしたら余計に目立つからな」
「え? あのそんなつもりじゃ……なんとなく気になっちゃって、何も後ろめたくないのにね」
気まずく思いながら助手席に乗りこむ。
「美琴はしっかりした貞操観念があるってことだろ」
「いや、ただの自意識過剰だよね。なんとなく見られている気がしちゃって」
千夜子に偶然目撃されたと聞いてから、なんとなく落ち着かない。
今でも監視されているような気がするのだ。
「見られたとしても文句を言われるような事はしないんだから大丈夫だろ。こそこそしたら余計に怪しい」
慧は余裕の態度で、不安がっている風ではない。
(ほんと、大胆)
「私も慧くらい肝が据わってたら良かった」
「神楽さんの妻としては、美琴くらい慎重な方がいいんじゃないか?」
「あ、そのことなんだけどね、一希に離婚しようって言われたの」
「は?」
それまで飄々としていた慧だけれど、この発言には驚いたようだった。
明らかに動揺しているのが伺える。
別にやましいことをしている訳ではないけれど、なんとなく周囲が気になってしまう美琴に慧は余裕の笑みで言う。
「そんなに警戒してキョロキョロしたら余計に目立つからな」
「え? あのそんなつもりじゃ……なんとなく気になっちゃって、何も後ろめたくないのにね」
気まずく思いながら助手席に乗りこむ。
「美琴はしっかりした貞操観念があるってことだろ」
「いや、ただの自意識過剰だよね。なんとなく見られている気がしちゃって」
千夜子に偶然目撃されたと聞いてから、なんとなく落ち着かない。
今でも監視されているような気がするのだ。
「見られたとしても文句を言われるような事はしないんだから大丈夫だろ。こそこそしたら余計に怪しい」
慧は余裕の態度で、不安がっている風ではない。
(ほんと、大胆)
「私も慧くらい肝が据わってたら良かった」
「神楽さんの妻としては、美琴くらい慎重な方がいいんじゃないか?」
「あ、そのことなんだけどね、一希に離婚しようって言われたの」
「は?」
それまで飄々としていた慧だけれど、この発言には驚いたようだった。
明らかに動揺しているのが伺える。