仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
「どうしてそんな話になってるんだ? 神楽さん早く帰って来るようになったんだろ?……いや、とりあえず移動が先だ」
慧は車を走らせ、大きい公園の駐車場に停めた。
「どこか入りたいけど時間もないし人に聞かれたくないからな」
「うん、ここで大丈夫だよ」
「それで、どうして離婚話になったんだ?」
怪訝そうな慧に、これまでの経緯を簡単に説明する。
「……と言う訳で、一希は優しくなったんだけど、その前に私が言い出した離婚に同意するとも言い出したの」
「美琴とやり直したくて態度を改めてるんじゃないのか?……神楽さんの考えは分からないな」
「慧にも分からない?」
「ああ、全く」
同性の慧ならば一希の考えが想像出来るかもしれないと考えたが、やはり一希は一般とは違う思考なようだ。
「それで、美琴はどうしたいんだ?」
「自分でもわからないの。正直言って一希に離婚を言われたときショックだった。かといって一希とやり直したいとも思えないの。一希の今の態度がずっと続くと信じることが出来ないし、一度離婚する覚悟をしたんだから決めた道に進みたいと思う。それなのに動揺しちゃって自分で自分が分からない」
心のままに言葉にすると、慧は笑みを消して美琴からさりげなく目を逸らした。
「……感情と理性は別物だからな。まだ時間はあるからゆっくり考えた方がいい。周りがなんと言おうと言いなりになる必要はないんだからな」
「うん……そうだね、でもお義母様が言っていた一希が観原千夜子を新しい妻に迎えるって話も気になってるの。一希は彼女を秘書から外すって言っていたし、最近は本当に彼女と付き合ってる訳じゃないような気もしているの。分からないことが多すぎて考えがまとまらない」
慧は車を走らせ、大きい公園の駐車場に停めた。
「どこか入りたいけど時間もないし人に聞かれたくないからな」
「うん、ここで大丈夫だよ」
「それで、どうして離婚話になったんだ?」
怪訝そうな慧に、これまでの経緯を簡単に説明する。
「……と言う訳で、一希は優しくなったんだけど、その前に私が言い出した離婚に同意するとも言い出したの」
「美琴とやり直したくて態度を改めてるんじゃないのか?……神楽さんの考えは分からないな」
「慧にも分からない?」
「ああ、全く」
同性の慧ならば一希の考えが想像出来るかもしれないと考えたが、やはり一希は一般とは違う思考なようだ。
「それで、美琴はどうしたいんだ?」
「自分でもわからないの。正直言って一希に離婚を言われたときショックだった。かといって一希とやり直したいとも思えないの。一希の今の態度がずっと続くと信じることが出来ないし、一度離婚する覚悟をしたんだから決めた道に進みたいと思う。それなのに動揺しちゃって自分で自分が分からない」
心のままに言葉にすると、慧は笑みを消して美琴からさりげなく目を逸らした。
「……感情と理性は別物だからな。まだ時間はあるからゆっくり考えた方がいい。周りがなんと言おうと言いなりになる必要はないんだからな」
「うん……そうだね、でもお義母様が言っていた一希が観原千夜子を新しい妻に迎えるって話も気になってるの。一希は彼女を秘書から外すって言っていたし、最近は本当に彼女と付き合ってる訳じゃないような気もしているの。分からないことが多すぎて考えがまとまらない」