仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
洗い終わった洗濯物を離れの庭で干していると、思いがけなく声をかけられた。
「あなた、何やってるの?」
はっとして声の方を向くと、そこには不審そうな表情の観原千夜子が佇んでいた。
彼女はライトグレーのスーツ姿で、手には書類が楽々入るような大き目のバッグを持っている。
ジャケットは体のラインを拾う細身のデザインで、スカートは膝上タイト。短すぎることはない丈だけれど、綺麗な足が目立っていた。
インナーはシャツではなく、襟ぐりの広い、女らしさを感じるブラウス。僅かに見える胸の谷間の上にはダイヤのネックレスが輝いている。
つくづく女性らしい色気に溢れた人だと思う。
そして一希とこの女性は、男女の関係なのだと意識すると、その場から逃げ出したくなるような思いでいっぱいになった。
正式な妻は自分なのだから、堂々としなくては。そう思うのだけれど、どうしても怖気づいてしまう。
千夜子の方は美琴のことなど恐れるに足りない存在のようで、躊躇いなく近づき、今干したばかりの洗濯物を見て眉をひそめた。
「それ、一希の服じゃないの? どうしてこんな所に干しているの?」
「え?」
一希の服を洗濯してはいけなかったのだろうか。
戸惑う美琴に、千夜子は軽蔑したような視線を送って来た。
「一希の服はクリーニングに出して。常識でしょう?」
千夜子の言葉に美琴は目を見開いた。
そんなことまで指図されるとは思ってもいなかったのだ。
「あなた、何やってるの?」
はっとして声の方を向くと、そこには不審そうな表情の観原千夜子が佇んでいた。
彼女はライトグレーのスーツ姿で、手には書類が楽々入るような大き目のバッグを持っている。
ジャケットは体のラインを拾う細身のデザインで、スカートは膝上タイト。短すぎることはない丈だけれど、綺麗な足が目立っていた。
インナーはシャツではなく、襟ぐりの広い、女らしさを感じるブラウス。僅かに見える胸の谷間の上にはダイヤのネックレスが輝いている。
つくづく女性らしい色気に溢れた人だと思う。
そして一希とこの女性は、男女の関係なのだと意識すると、その場から逃げ出したくなるような思いでいっぱいになった。
正式な妻は自分なのだから、堂々としなくては。そう思うのだけれど、どうしても怖気づいてしまう。
千夜子の方は美琴のことなど恐れるに足りない存在のようで、躊躇いなく近づき、今干したばかりの洗濯物を見て眉をひそめた。
「それ、一希の服じゃないの? どうしてこんな所に干しているの?」
「え?」
一希の服を洗濯してはいけなかったのだろうか。
戸惑う美琴に、千夜子は軽蔑したような視線を送って来た。
「一希の服はクリーニングに出して。常識でしょう?」
千夜子の言葉に美琴は目を見開いた。
そんなことまで指図されるとは思ってもいなかったのだ。