俺のこと、好きにさせてみせるから。
「うん。」
「じゃあ、一緒に帰ろ。ちょっと待ってて。」
「え?」
葉山くんは、そう言って、更衣室のほうに行ってしまった。
え……
葉山くんと一緒に帰ってるの、もし見た人がいたら、ヤバそうなんだけど……
たぶん、一瞬で広まるだろうし……
何もありませんように……
「お待たせ、紗奈ちゃん」
顔をあげると、葉山くんが立っていた。
シャワーを浴びてきたみたいで、髪の毛から、水が滴り落ちている。