誰からも愛されない・・その後
挨拶が終わると楓の乾杯で
パーティーが始まり
彩心は、忍に連れられて次々に
ご挨拶を・・・
本当に仲の良い。
あれだけの女性だもの
溺愛もわかるわ。
正しく美男美女よね。
回りから色な声が聞こえてくる
忍は、
「彩心、愛してる。
俺だけを感じて
俺だけに愛されていればいいんだよ。」
と、耳元で囁く
彩心は・・不安ではない。
私には私を愛してくれる忍がいる
家族がいる。
だけど・・私の微妙な変化に
対応してくれる・・忍に
「私も愛しています。」
と、答えると
忍は、瞳を開きキョトンとしてから
顔を赤らめ
「負けた・・ああ~無理
もう、帰りたい。
早く、彩心の全てに触れたい」
と、言うから
「なっ・・・」
と、言葉をつまらせていると‥‥
「はいはい。社長お戯れはその辺りで。」
と、楓さんが来て告げた。
「なんだよ、楓。」
と、忍。
「なんだよ、ではありません。
会長がお呼びなんです。」
「ああっ、わかった。」
と、言うと
「いや。忍おじさんでなくて
彩心さんね。」
と、言うから
「なに?彩心?ダメ。」
と、忍。
「もう、何を言ってるの。
お義父様がお呼びなんですね。
ありがとうございます。」
と、言って行こうとする彩心に
「ああっ、ダメダメ。彩心。
一人でいったら。」
と、ついて来ようとするから
「忍さんは、
忍さんのお仕事をして下さい。」
と、言って彩心は、
ドレスの裾を踏まないように
片手で少しあげてから歩いていく。
その後ろ姿も綺麗で
見とれるほど。
見ていると
会長の元につく間に
あちこちから声をかけられて
その度に立ち止まり
綺麗なお辞儀をしてから
また、歩き始める・・を
繰り返す。
忍は、イライラしながら見ていて
楓は、その様子を見て笑っていた。