誰からも愛されない・・その後
皐side

皐·····

彩心の結婚式から少し経ち
新と新の奥さん(由美子)と
子供の芙佳(ふうか)が訪ねてきた。

新は、二人を紹介してから
今までの事を何度も詫びた。

由美子さんからは、
彩心に対してのお詫びもあった。

それから新から
「家を改築して一緒に暮らすか
近くにマンションを買うかしたい。」
と、言い
「如月クリニックを継ぎたい。」
との話しもあった。

「私の代で閉院しても良い。」
と、言ったが
新が、
「それは無理」
と、言ってくれたから
病院と住まいを改築して
新の家族を受け入れる事にした。

新は、あのとき飛ばされた病院に
まだ、在籍している。
僻地に若い医師が来たのだから
何か·····と、思われていて
色々言われたらしいが
自分のしでかした事だと思い
医師の仕事で、わかってもらうしか
ないと必死にやった。

もちろん、妻である由美子にも
冷たい目は向く。
二人で、彩心にしたことの報いだと
申し訳ない気持ちで
毎日を過したと言っていた。

元から腕の良い新は、
少しずつ、本当に少しずつ
回りから認められて行き
今では、本当に良くしてもらっている。
離れがたいが、そろそろ
母親に認めて貰いたくて
その前に彩心に謝ることが
先だと思い。
彩心の結婚式の日に動いた。

たまたま、母親に連絡したときに
母親が、ポロっと彩心の結婚式の
話をしたのだ。

皐は、まだ元気だから
新が辞める日まで病院はやる。

彩心にも紫月にも
その事を話すと
凄く喜んでくれた。
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