誰からも愛されない・・その後
涼side
涼・・・
涼は、妻の和恵をとても愛していた。
だが、和恵は身体が弱く
俺は、和恵がいたら何もいらないと
何度も言ったのに
自分がいなくなったら
俺が一人になると言って
彩心を出産した。
彩心は、無事に産まれたが
和恵は、再び俺を見ることはなかった。
俺は、彩心を受け入れられずに
俺の母が怒って彩心を連れて帰り
母が、育ててくれた。
そんな矢先に、母が他界した。
俺は、その時も彩心を
受け入れられずにいた。
家に置いても面倒を見ることもない俺に
如月さんが彩心を育てる
と、言ってくれて・・
俺は、その時も人任せにした。
如月さんは、ご主人をなくして
一人で新君を育てている方だ。
新君と彩心は、年が近いし
一緒に学校に行けば
彩心も安心でしょうと
言った。
本当は、引き取って・・・
と思っていたのだが
彩心が、俺を見て怯えたような
あきらめたような顔をするのをみて
何を今更と・・・
勝手の良い自分の考えは封印した。
皐さんは、彩心の色々な報告をしてくれた。
それを聞くのが楽しみになっていた。