霧の向こうのまあ君
「もしかして自分で抜けないの?」

「バ…馬鹿者.地上の民にできてこの神獣にできぬことなど….」

「じゃあいいや.ばいば~い.」

まあ君は走り去ろうとします.

「わっ…わかったっ!もし抜くことができたら面白い世界に連れて行ってやろう.」

「ホント?」

「ああ.神獣に嘘などという悪しき習慣はない.」

「じゃあ,自分で抜けるんだね.」

「….それはこの身が誕生して以来唯一の嘘だ.」

「そうなんだぁ~.じゃあ,まあ君が抜いてあげるね.」

「そ~っとだぞ.そ~っと….」
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