霧の向こうのまあ君
神獣は走ります.

必死で走ります.

必死で走っている最中なのにまあ君は話しかけます.

「ねえねえワンワンさん.まあ君より速いね.」

「当たり前だ.神速なのだから.それより,我が名はワンワンではない.」

「え?じゃあ名前は?」

「我は神獣だ.名などどうでも良い.」

「え~.僕まあ君だよ.ワンワンさん名前はぁ?」

「我は神獣….それで良いではないか.」

「やだーい!教えてくれなきゃやだーい!」

「ふっ,地上の民は名などという馬鹿げた肩書きでものを語るらしいが,神獣は…」

「で,名前は?」

「いや,だから….」

「名前は?名前は?」

「….」

「名前は?名前は?名前は?」

「く….」

「名前は?名前は?名前は?名前は?名前は?」



「ポチ」






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