霧の向こうのまあ君
まあ君と花畑
その景色には,大人の人間の何倍もあろうかという草花が広がっていました.

「わーい.おっきなタンポポ畑だぁ~.うれしいなぁ~.」

「まあ君よ.そなたが小さいだけではないのか?」

「そっかなぁ.ポチよりも大きな花ばかりだよ?」

「我が体は変化自在.大きさなど簡単に変えられる.あんなタンポポなど目ではない.」

「ホント?小さくなって.」

「よかろう.」

神獣は見る見る小さくなり,普通の犬のような大きさになりました.

「こんどはうーーんと大きくなって.」

「よかろう.」

神獣は見る見る元の大きさに戻りました.

「あれ?元の大きさと同じだよ?」

「う…….」

「大きくなって!大きくなって!」

「あれは我が身がこの世に誕生して以来2度目の嘘だ.」

それに対して,まあ君はハキハキと喋ります.

「要するに,見栄っ張りなんだね!」

「うぅ…….」
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