ボクの星
「ねぇ!ねぇ夜!」
誰かが僕の名前を呼ぶ
「ねぇ!夜ってば!起きてよ!」
目を開けると
「、、、あ、あかり。なんで、」
寝転ぶ僕の隣には星が座っていた
起き上がれない。
金縛りのように動こうにも身動きすらとれない
星は半年前しんだ、ぼくが殺した、幼なじみ
「なんでって、夜に逢いに来たんだよ」
ニコッと笑う星は半年前のまま
「ぼくを殺しに来たの?星を殺したこと怒ってるの?」
「え?なにいってるの?」
くすくす笑う星は不気味だ
「星、夜に殺されてなんかいないよ。自分で望んだことなの」
「、、え?」
半年前、僕は自殺するために信号無視をして車にひかれそうになった。
そこに星が飛び込んできて僕を突き飛ばし、僕の代わりに
星が死んだ。
「夜を助けた。ってことになってるけど違うよ。夜を助けたんじゃない。自分を助けたの」
「どういうこと?どうして、、」
「夜が死ぬのに耐えられなかった。」
僕は驚き、自分を恨んだ
「そんな、君はみんなに愛されてる!!僕が死ぬべきだったってみんな思っ「だって!!!」
僕の声をさえぎった
「だって、夜のいない星の人生なんてなんの価値もない。星には夜だけいればよかった。なのに、、、。」
星の叫び声と声にならない苦痛が僕に痛いくらい伝わってきた
星は怒っている
泣かない星は生きている時と同じだった
生きている僕が
死んでいる星より死んでいたんだろう
「夜が死んだら!星は生きていけない!!!だから星が代わりに死んだの!!」
「、あかり。」
「、、夜には。生きててほしかった。あなたを必要とする人はいるの!だから、僕が死ねばよかったなんて、、、冗談でも言わないで!!!!!」
「ごめん、星の気持ち、、考えてなくて。でもね、
僕も、僕も辛いよ。
星のいない僕の人生に価値はあるのかな、耐えられるのかな。」
「ごめん、ごめんなさい。でも星には耐えられなかった。夜がいなくなることが。夜の自殺をもっと早くとめられなかったことが。だから私は自分を助けたの。」
ズルズルっと鼻水をすする星の顔は初めとは変わっていた
泣きそうになると星は必ず鼻をすする
僕はわかっていたんだ
星は見かねて僕のもとに現れることを
「ごめんね。星は、、夜にそれを言いに来ただけ。もう、時間だから戻らないと。」
「まってあかり!どこへ行くの、行かないで!」
できるはずないと分かっていてもその言葉しか
でてこなかった
体が動く
だんだん体が薄くなる星の手を掴もうとする。
掴めない。透けている
「夜、部屋からでるの!そのプラネタリウムの星は私なんかじゃない!!ちゃんと現実を見て自分で生きるの!」
「あかり、あかりはもういないんだね。星になったんだね。」
星の頬を涙が伝う
生きている時にすら見た事なかった
星の涙
「うん、、でも、そのプラネタリウムの星は星じゃない。作り物じゃない、夜にしか見えない本物の星」
「ありがとう。あかり。僕、ちゃんと精一杯生きるよ。あかりの分までちゃんと。あかり愛しているよ」
「うん、ありがとう。私も
. . .
夜を愛していたよ」
そう言い残すと消えてしまった。