俺様副社長とハロウィン
「昼休み、資料室に来い」



そんなLINEが入っていたのは今日の朝。

どうして、いつもこう命令なのか。
まぁ、それが暁だし何も気にはらないのだけど。
そんな暁があたしは好きなのだから。



「心海」



同じ部署でいまは働いている、同期の音哉。
あたしの隣にある自分の席に座って、なにやらカバンをゴソゴソしてる。



「音哉どうしたの?」


「ん……あったあった。トリックオアトリートって言ってよ」



お目当てのものが見つかったらしく、顔をあげて急にこんなことを言い出す。



「あはは、なにそれ。トリックオアトリート」



急にどうしたのかと思いつつも、音哉の言う通りにしてみる。



「ハッピーハロウィン」



そんなことを言って、カバンから飴を出してあたしの手に載せる。



「飴だ。ありがとう、でもどうしたの?急に」


「大阪から直接会社で疲れてんじゃないかって思ってさ」


「ふふ、ありがとう」


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