俺様副社長とハロウィン
もともと暁があたしに頻繁に会いに来ていたことで、自分の部署の人間には噂されていたし、大してあたしは気にしてなかった。

それでも、あたしが色々と言われるのが嫌だと暁が提案してくれたことだった。

暁があたしのことを守るために言ってくれたのはとても嬉しかったけど、こうも何度も否定されるのはなかなか悲しかったりする。

別に暁の本心じゃないし、暁の妻はあたしだけだってわかってる。
それでもなんとなく、自分の女の人を妻だと言われるのは寂しい。

暁があたしを守ってくれてる以上、あたしのただのワガママだっては百も承知だけど。



「先に行っとこ」



このままここで立ち聞きするのもなんだしと思って、階段室のドアを開けて１階だけ降りる。

そして、その階のエレベーターに乗る。

すぐそばにエレベーターがあったんだけど、そこで乗るときづかれてしまいそうだから。
あの場にあたしがいたことは二人ともに気づかれたくなかった。

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